10代の妊娠を考える

 人間も生物であり、哺乳動物です。数百年前にサルから進化し、数万年前に現代人となりました。

この間女性に生理が始まり、男性に精通が始まると間もなく妊娠し、出産するという生物学的には当たり前の現象が続いてきたのです。

歴史上の人物も若くして母となり、父となってきました。男子は11-16歳くらいになると元服して成人として扱われてきました。

長い歴史を経てきた10代の妊娠・出産が崩れてきたのは本当に最近になって起こった現象で、私が医者になった昭和40年頃にも地方の病院に行くと10代で出産するのが普通でした。

結婚年齢の上昇と共に、10代に出産するという生物学的には当たり前のことが珍しいことになってきました。

妊娠する人はいても中絶してしまう。現代社会に於いては高学歴が欲しい、自律するために社会的基盤を築いておきたい、社会生活を楽しみたい、等々のために折角妊娠しても中絶してしまは実に勿体ない話ではないでしょうか?。

少子化のために日本の行く末が危ぶまれている現在、本来の姿に戻ってどんどん産んで欲しいですね。

こう書くと『産婦人科の医者はお産が減ると儲からんから必死だな』まどとちゃかして終わりにする輩が少なくありません。

もっと真剣に考えて欲しいものです。

「10代の妊娠などもっての外」と頭から決めつけずに「産んでも良いかな」と考えている女性が産めるようにするにはどうしたら良いのか考えましょう。

日本産婦人科医会の「10代の人工妊娠中絶について」の調査(幡医師)の結果、妊娠したことについての感想として次のような回答が得られました

妊娠が分かったとき 嬉しかった33%、困った68%
産みたいと思ったか 産みたかった39%、産みたくないと思った18%
中絶した理由 収入が少ない68%、若すぎる63.7%、未婚だから46.3%、子育てに自信がない44.2%、
学業に差し支える39%、親が反対27%

もしこうだったら
中絶しないで済んだ

子育てと学業の両立31%、結婚できれ ば31%、出産の費用が有れば28%、
親の理解があれば21%、育児に対する援助が 有れば20%、教育費がもっとかからなければ16%

これらの問題は若い女性全体に言えることなのですが、経済的な支援、子育て支援、未婚であっても産めるような環境づくり、シングルマザーに対する社会の理解などが大切です。

もっと日本の社会が成熟して、妊娠したら産むのがあたりまえと考える教育(逆に産めないならしっかりと避妊する)、若い女性が妊娠したら周囲が強力にサポートすることなどが、妊娠中絶を減らし日本の破滅的な少子化を歯止めすることになると思います。