★のむ妊娠中絶薬ーミフェプリストン
口から飲むだけで妊娠中絶ができる。ある意味では夢の薬といわれています。
ミフェプリストンという薬で、1980年頃ロッシュという会社で開発され、フランスでは1988年に認可されました。
医師の間では開発時のRU486という名で知られていますが、現在EU、米国、中国などで製造販売されており、20ヶ国で認可されています。
この薬剤は黄体ホルモンの作用を止めるもので、妊娠7週未満(最終月経から49日以内)に用いれば、90%以上の症例に中絶ができると言われています。
医師の厳重な管理の元で使用されれば安全性は高いものです。
わが国では未承認で譲渡・販売は禁止されています。
ところが外国人の持ち込み、日本人が海外旅行で持ち帰る、インターネットで販売、個人輸入の代行、などいろいろのルートで入手し使用するケースが増加していいます。
医師の管理なしに自己で使用した患者が子宮外妊娠、不全流産などで大量の出血が起こった例が報告されるようになり、厚労省は以下のような個人輸入を制限し、注意を喚起する「お知らせ」をホームページに掲載しました。
以下、要点を記します。
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平成16年10月25日 、厚生労働省医薬食品局、監視指導・麻薬対策課
「個人輸入される経口妊娠中絶薬(いわゆる経口中絶薬)について」
国内では承認されていない経口妊娠中絶薬は、ときに手術が必要となる出血を起こすことが知られており、欧米でも医師の処方と経過観察が必要とされる医薬品であるため、安易に個人輸入して使用されることによる健康被害が懸念されます。
そのため、医療機関を受診しないで安易に使用されないよう、以下の措置を行うこととしました。
1.経口妊娠中絶薬を医療機関を受診せずに安易に服用することは危険なので避けること。
2.個人輸入代行業者に対する監視指導の強化。
1) 各都道府県に対し、個人輸入代行業者のインターネット上の広告等に
ついて、監視指導の徹底を依頼。
2) インターネットで広告を行っている個人輸入代行業者やプロバイダに
対して警告メールの送付を行い監視指導の強化を図る。
3.個人輸入に対する制限
経口妊娠中絶薬については、これまでは少量であれば厚生労働省での手続きが無くても個人で輸入できていた取扱いを改め、原則として、医師の処方に基づくことが地方厚生局で確認できた場合に限って輸入が可能となるよう、個人輸入を制限することとした。
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●医学上の問題
この薬は医師がきちんと管理して使用すれば比較的危険性は少ないようですが、患者さんが勝手に使うと恐ろしいことが起こり得ます。
実際に困った症例に悩まされている医師もあります。そのケースを羅列しましょう。
◎子宮外妊娠であったため、お腹の中で出血を起こして手遅れ寸前で助かった例
◎薬を飲んで出血したから流産したものと思っていたら不全流産(子宮内に未だ残っている)のために大出血や感染を起こした例
◎妊娠7週未満には有効ですが、妊娠5ヶ月になって飲んだ例があり、当然流産はせず、出血してかつぎこまれた例
●法律上の問題
また、この薬には法律的に問題が多いのです。現段階では売ったり、使ったりすると法律違反となり何らかの処罰が下る可能性があります。
○未承認の薬を販売・譲渡する:薬事法違反。
○患者が自分で勝手に使う:刑法の堕胎罪、懲役3年以下。
○本来妊娠中絶に関する医療行為は母体保護法指定医師でなければ許されない:資格を持たない医師が処方すると母体保護法違反
服用した患者が受診したらすぐ警察に通報するという産婦人科医もいます。
厚生労働省の警告のおかげで、インターネット上での販売は自粛されたようです。
個人輸入も水際でブロックされることでしょう。
残るのは外国で購入して日本に持ち込むケースです。
外国人の方が自国でよく使われているからといって日本に来てから使うケースもあります。
医学上も法律上も大変問題が多い薬です。
今の日本では使用できないことを充分にご理解下さい。
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