★★人工妊娠中絶について★★

人工妊娠中絶を受けなければならない、なんと悲しいことでしょうか?

愛し合う2人の間に出来た赤ちゃんの命を絶つなんて。

「産婦人科の医者は中絶で儲かるでええがね」と下品な顔で言うおじさんに何度腹を立てたことでしょうか。

産婦人科の医者もやりたい手術ではないのです。

良心の呵責に水子供養をする医師も沢山います。

世間の誤解も多いので今回は人工妊娠中絶について書きましょう。

母体保護法と指定医師

さて人工妊娠中絶術とは妊娠した女性が健康上の理由で妊娠の継続が出来ない、

あるいは経済的に困窮状態にあるためにどうしても妊娠を途中でストップしなければならない、

あるいは強姦など暴力行為による妊娠などの場合に行われるもので、

このことは母体保護法という法律(以前は優生保護法といわれた)で厳しく定められた手続きを要します。

この手術は母体保護法の指定医師(都道府県医師会が厳しい審査をして指定する)だけが許可されて行うもので、

もし指定医師以外のものが行えば堕胎罪という重い刑罰が科せられます。



妊娠初期の中絶

妊娠初期の中絶は妊娠12週未満までに行われるもので、危険性はあまり高くありません。

役所への届けも医師から報告書(患者名無記名)を提出するだけです。

妊娠12週未満というのは、通常最終月経の初日から3ヶ月未満(11週6日まで)をいいます。

妊娠中期の中絶

中期中絶と呼ばれる12週(4ヶ月)以降になると法律的に死産として扱われるようになり、役所に死産届けを提出しなければなりません。

手術の手技も難しくなり、危険性もあります。

そのため入院が必要になります。経済的理由では認められず、母体の極めて重い疾患のためにやむを得ずという理由が必要になります。

中期中絶になると多くはプレグランディンという薬を用いて流産させる方法をとり、お産をするのに近くなります。

この中期中絶は21週までは認められますが、22週以降は認められません。

その理由は「胎児が母体外において生命を維持することのできない時期」に限るとされているからです。

愛し合っている2人に突然訪れる妊娠、2人が喜び周囲が祝福する妊娠なら良いのですが、

最初は「産んでもいいよ」と言っていた男がだんだんと逃げ腰になり、ついには中絶せざるを得なくなる、

こんなケースが一番困ります。時期を失して中期中絶になってしまうからです。


手術法について

 妊娠初期には静脈麻酔を行った上で、子宮の入り口を器具で開き、胎児・胎盤を取り出します。

10分程度で終わります。妊娠10週位になると胎児も大きくなりますので、頚管を開くために特殊な器具を用いて時間をかけて開きます。

合併症が起きやすくなります。

妊娠12週を過ぎて中期になると赤ちゃんが大きくなりますが、大きくなればお産と同じようになるため、

子宮の収縮を起こす薬を使い、時間をかけて出すことになります。

時には2日かかることもあります。


手術に伴う合併症

 子宮内容除去術は手探りで行う手術です。医師は慎重に行いますが、どんな名医が行っても以下のような合併症・偶発症がおこることがあります。
子宮の穿孔:非常に柔らかい子宮の壁は簡単に穴が開いてしまいます。時には開腹して処置することもあります。
手術に伴う合併症:感染、大量の出血、麻酔の合併症。
遺残:慎重に手術をしても、少量の妊娠内容物・子宮内膜・血液が残ることがあります。
多くの場合には自然に出てきますが、時に出血が続いたり、腹痛・発熱などの
症状が出ることがあります。時には胎児が残っている場合もあるのです。
子宮収縮不全:子宮の収縮が悪くて出血が続く場合があります。
子宮外妊娠:妊娠が子宮の中の妊娠でなく子宮外妊娠であることもあります。
特に初期の場合には診断がむつかしいのです。その場合には手術が必要になります。
また 極めて稀ですが、子宮内妊娠と子宮外妊娠が併存(内外同時妊娠)していることがあります。



手術後の療養についての注意

手術から数日後、指定された日に必ず受診すること。術後3日間は自宅で安静にしなければなりません。
通常は手術後10日以内には出血はおさまります。それ以上出血が続いたり、しばらく経過しても生理が来なかったり、あるいは腹痛がある場合には、必ず受診が必要です。
性交渉は、手術後2週間は控えるべきです。子供の欲しい方でも、2ヶ月間は避妊した方が良いと思います。しばらく妊娠したくない場合には医師に避妊法の相談をしてください。
次回の月経は通常、術後30-40日ぐらいで始まります。日頃順調に来ていたかどうかによっても異なってきます。それ以上たっても来ない場合には受診が必要です。



★費用
 人工妊娠中絶(11週まで)の平均的な料金は115,500円程度(消費税込み)となっています。
法律では、21週までの人工妊娠中絶が認められていますが、その場合は、器具によって子宮口を開き、
さらに陣痛促進剤(プレグランディンなど)を投与して流産させる方法をとるために費用もかなりかかることになります。

★手続き
 人工妊娠中絶術は、妊娠の継続又は分娩が、身体的または経済的理由により母体の健康を著しく害する恐れのある場合、
あるいは強姦などによって妊娠した場合に母体保護法という法律によって行います。

手術同意書に手術を受ける患者さんと配偶者あるいはパートナーの記名捺印が必要です。
原則として未成年の場合には親権者の同意も必要になります。
患者さんが外国人の場合も受けることが出来ますが、同じ手続きが必要です。

★医者の選び方
 人工妊娠中絶術は簡単なようでも難しい手術です。意外に危険性が高いものです。
十分な経験を積んだ医師が吸引法を使って行えば、比較的安全と言えるでしょう。
超音波断層法(エコー)で確認して行えばさらに安全となります。
この場合、癌やたくさんの分娩を扱っている大きい病院が必ずしも良いとは限りません。

★現在問題になっているこ
 10代の中絶の増加。20代以降の女性の中絶が減っているのに10代の中絶は増えています。
このために性教育をしっかり行わなければいけないと考えられています。

★のむ妊娠中絶薬(ミフェプリストン)
 口から飲むだけで妊娠中絶ができる薬で、現在20ヶ国で認可されています。
妊娠7週未満(最終月経から49日以内)に用いれば、90%以上の症例に中絶ができると言われています。
医師の厳重な管理の元で使用されれば安全性は高いものです。
 しかしながらわが国では未承認で譲渡・販売は禁止されています。

医師の管理なしに使用して子宮外妊娠、不全流産などで大出血が起こった例が報告されています。
ところが外国人が持ち込む、日本人が旅行で持ち帰るなどいろいろのルートで入手し使用するケースがあります。
インターネットで販売、個人輸入の代行は禁止されています。
問題が多く、法律違反となるので使用してはなりません。