クラリンギャル

近頃の若い娘には・・・・バイリンギャルからクラリンギャルへ

少し柔らかい、しかし怖いお話を。

 外来に若い女性が受診されました。見たところごく普通の大人しい学生さんです。


「どうしましたか?」

「カレシがぁ淋病にかかって治療しているからぁ、おまえも診てもらってこいって言われた」

子宮の入り口(頚管)から標本を採って、淋病とクラミジアの抗原(菌を検出する)検査を行いました。

「結果は数日後に判ります。とりあえず膣に入れる薬を処方するから、毎晩、膣に入れて下さい。

結果が出るまで誰ともセックスをしないように」と説明し「お大事に」。


「次の患者さんどうぞ」。この患者さんもごく普通の大人しい学生さんです。「どうしましたか?」

「カレシがぁ淋病にかかって治療しているからぁ、おまえも診てもらってこいって言われた」

「あれ?。今診た患者さんも同じ事言ってたな」

「友達でぇす。そろってきましたぁ」

同様に淋病とクラミジアの検査を行い、「結果は数日後に判るからおいで下さい」と言って帰ってもらいました。


一週間後、二人揃って受診しました。結果は二人とも淋病・クラミジア共に抗原陽性(菌を持っている)でした。

「おやおや、いくら仲が良くても揃って二種類のSTD(性行為感染症)を持っているなんて。

ひょっとしたら同じカレシか?」

「ウウン。ちがぁうぅ」


お友達が同時に受診してゴノ・クラ(淋病とクラミジアの略称)共に陽性という出来事に絶句。

風俗の女性でも二種類共に持っていることはあまりありません。

心の中で「近頃の若い娘はどうなっているんだ」とつぶやきながら、その他のSTDの検査も行い、二週間分の薬を処方しました。

「ちゃんと治すまでセックスはだめだよ。病気があると判っていて他の人に移すと傷害罪になるんだよ」

「はぁぁいぃ」

梅毒と淋病の二種類をもっている女の子をバイリンギャルとよんだことがあります。

どうやら最近はバイリンギャルからクラリンギャルに流行が変わったのでしょうか。

バイリンギャルの時代には見るからに「こいつ遊んでるな」と判る女性が中心でしたが、最近はごく普通の大人しい女性でもみられます。

私が産婦人科医だから女性のことばかり書きますが、もちろん男性も同じ事。


クラミジアの感染はどんどん広がっています。

ひところ下火になった淋病も最近増えているような気がします。

通信ネットワークの時代ですが、STDのネットワークも華やかになりました。


−−恐ろしい時代になりましたなぁ−−