子供は欲しくないの?
Aさん(33歳のOL・結婚して8年)との会話。
Aさんは毎日仕事や趣味で忙しく、充実した生活を送っている。
結婚して8年になり子供はまだない。夫婦仲はきわめて円満らしい。
「子供は欲しくないの?」
「今まであまり欲しいと思わなかったんです。最近、夫婦でそろそろ作ろうかと話すようになりました」
「もうすぐ35歳、高齢出産になっちゃうよ」
「やっぱり良くないの?」
「知ってると思うけど、年齢が高くなるにつれて染色体異常、胎児の異常が多くなるよ。
お産に伴って妊娠中毒症などの合併症も多くなるし、生んでからも、若いときと違って夜中に赤ちゃんに起こされるとなかなか寝られないので体力的にも大変だよ」
「じゃあそろそろ作ろうかな」
「すぐ出来れば良いけれど、年齢とともに子宮筋腫、子宮内膜症などの病気が出てくるし、月経血が減少したり排卵がきちんと起こらなかったりして妊娠しにくくなる。
男性のほうも精力減退、インポテンスが問題になって来るんだよ。早く作ったほうがいいよ」
「私は元気だからまだいいと思うけど」
「いつも言ってるんだけど、人間も哺乳類の動物。12-14歳に月経が開始したらまもなく妊娠可能、生物学的には10代に妊娠・出産するのが自然といえる。
医学が発達して寿命は延びたけど、閉経の年齢は50歳であまり延びていない。生物としての基本的なところは変わらないんだ」
「へーえ、そうなんだ」
「人生50年と言われた江戸時代、大奥では世継ぎを作ることが重大事だったから、20歳代で年増(としま)といわれ、30歳を過ぎるとおしとねすべりといって将軍の夜のお相手からはずされたという話もあるんだ。」
「先生ひどい、それは女性差別じゃありませんか」
「ごめんごめん。女性差別は良くないね。男女同権はもっとも、機会均等はもっとも、でも生理学的に男女は異なるよね。
無理に同一視するとどこかにひずみが来るのではないかな。
ぼくは女性は尊重され、大切にされなければならないと思っている。
能力のある女性が女性である故に差別されて仕事が出来ないのはおかしい。
だけどね、女性にとって子供を生んで育てることは男性にはない大事な能力じゃないか。
その能力をないがしろにすることが今日の少子化の一因になっているかもしれないね。」
「だけど今の日本では能力のある女性が仕事を続けながら子供を生んで育てるための周囲の協力や社会の支援体制がそろっていませんよね」
「そのとおりだね。話がそれて大きな問題になってしまったけれど、あなたにとって残された時間は以外に少ないんだよ。
あっという間に40歳を越えてしまう。40歳を過ぎると体外受精の適応から外している施設もあるくらいなんだ」
「脅さないで下さいよ。さっそく明日から基礎体温を付けてあかちゃんを作るようにします。出来なかったら相談にいきます」
「お早めにどうぞ」