産婦人科の医者は新人の頃から「患者を見たら妊娠と思え」という言葉を繰り返し教えられます。
実際、妊娠に伴ういろいろのエピソードに事欠きま せん。
絶対にセックスをしていないとおっしゃる患者さんのお腹の中で超音波の画像であかちゃんが手を振っていたりすることは本当にあるのです。
以下はそんな程度ではなく、医者も周囲もびっくりという話。
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嘘のような本当の話−その1
「お腹が痛いっ」と叫びながら玄関にかけこんできた中年の女性、診察室に入れて診るとなんと分娩の開始。
分娩室に入ると同時に「おぎゃー」と元気な赤ちゃん誕生。
普通ならお目出たいことなのですが、・・・・。
妊娠中一度も受診していません。いやな予感がします。
勤め先の料理屋さんの女将さんが駆けつけてきて「なにー、あんた妊娠しとったの?。なんで言わんのー」。
聞いてみると数カ月前、北国からやって きた人で、「事情があるので独り者だけど働かせて下さい」と言われ、雇ったとのこと。
よく働く人で、女将さんににとっては儲けものといった存在でし た。
周囲の人たちはちょっとお腹が大きいけど太っているだけと思いこんでいたそうです。
相手の男性は事情があって行方不明。
親子は女将さんが 面倒を見てくれることになり、無事退院して行きました。
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嘘のような本当の話−その2
これも「お腹が痛いっ」と叫びながら玄関にかけこんできました。
今度は若い女性。こちらも診察するとあかちゃんの頭が出かかっている、分娩室に入れたら同時に「おぎゃー」。
付き添ってきた母親に「おめでとうございます。元気な赤ちゃんですよ」と言ったら、本当にその場で卒倒してしまいまし た。
患者さんは名門女子大の学生で、典型的な良家のお嬢様です。
セックスについても十分に理解していません。
一度だけ男性に接する機会があって何が何だか判らない内に妊娠したらしい。
良家のお嬢様ゆえに親に言うこともできなくて悩んでいる内にお産するに至ったようです。
この間のお嬢様の悩みはいかほどであったか察するにあまりありますが、「周囲は気が付かなかったの?」と言いたくなります。
母親もなんだか太ってきたみたいと思っていたそうですが、まさか妊娠するようなことをしているとは思っていなかったので気が付かなかったとのことでした。
本人もかわいそうですが、お母さんも気の毒ですね。もっとかわいそうなのは赤ちゃんです。
先日テレビ番組の中で、小学4年生の娘にいざというときのためにコンドームを渡したという母親が登場して外国人を含め大勢の人にひんしゅくをかっていましたが、両極端の育て方、その善し悪しについて考えさせられます。
2つの話に共通しているのは、お腹の大きいのを太ったと言って隠していたこと、お風呂に一緒に入ろうとしなかったことなどです。
まさかと思っていると判らないものなのでしょうか?。
「患者を見たら妊娠と思え」という言い伝えもあながち冗談とは言えないようです。
それでも会社でお腹の大きいOLさんに「おまえ、妊娠しとれせんか?」などと言って「セクハラ!!」と騒がれないようにお気をつけ下さい。