子宮筋腫は中年以後の女性には小さいものも入れると五人に一人は持っていると言われます。
治療法は以前は手術でした。最近治療法も様変わりしています。
![]()
1)手術
アメリカの医学界では昔に比べ行われなくなった手術として虫垂切除(俗に言う盲腸の手術)、心臓のバイパス手術とともに子宮筋腫の子宮全摘手術が挙げられています。
昔は子宮筋腫が見つかるとどんどん子宮摘出が勧められていました。現在ではその適応がしぼられて、子宮の全摘出が減っています。
もちろん、大きい子宮筋腫(直径8-10cm以上あるもの)や月経の量の多いもの、悪性の子宮肉腫が疑われるものは全摘出が必要です。
小さいものは手術しないで様子を見るのが普通になりました。それでも月経の量の多い場合や不妊症と関係あると考えられる場合などには開腹手術も行われますが、むしろ最近では内視鏡下に筋腫だけ切除する筋腫核出手術が行われるようになりました。
内視鏡下手術
a) 腹腔鏡下手術 子宮の外側に出来るもの(漿膜下筋腫)は腹腔鏡下手術で可能な場合があります。
この方法では入院も3-5日間と短期間で、お腹の傷もおへその所に1-2cm、他に数カ所5-15mmの傷で手術が済んでしまいます。
かなり大きいものでも中で細かくしてから取り出すことが可能です。
b) 子宮鏡下手術 子宮の内側に出来るもの(粘膜下筋腫)は小さいものでも月経の量が多く貧血の原因になることがあります。
この場合には膣から子宮の中に内視鏡を挿入し、TCRという器械を用いて切除できればお腹は切らずに済みます。
入院は1日程度ですみます。手術には習熟が必要です。
![]()
2)薬物療法
子宮筋腫は女性ホルモン(主にエストロジェン)によって発育しますから、女性ホルモンが減少する閉経期以後(概ね50歳)には小さくなってしまいます。
従って筋腫があっても50歳になるまで様子を見る「逃げ切り作戦」が可能なら理想的です。
筋腫を薬で小さくする、これは可能です。GnRHaという薬(点鼻薬や筋肉注射)を使うと縮小するのです。
夢のような薬ですが、欠点は止めると間もなく元に戻ってしまうこと、副作用(エストロジェンを押さえるので頭痛・いらいらなど更年期の症状が出る、骨粗鬆症になる)のため6ヶ月以上使えないのです。
もうじき閉経という年齢の方には試みてみるべき治療です。
![]()
3)UAE(子宮動脈塞栓術)
最近話題の治療法です。
レントゲン透視下に大腿動脈からチューブを入れて子宮へ行く動脈に薬を注入して塞栓を起こします。
血流を減少させることによって子宮筋腫の発育を止め、縮小を期待する方法です。
欠点は術後に痛みの起こることがある、合併症の心配があることですが、今後採用される機会が増えるでしょう。