卵管の不思議

卵管は子宮の左右に延びている管で、6−7cmの長さがあり、西洋のおばけの腕のような感じで長いそでを持っており、そのそでに相当する膜が骨盤の壁に続いています。このそでの後ろ側に卵巣がぶら下がっているのです。

卵管は先端が広がっており、西洋の長いラッパに格好が似ているのでラッパ管と呼んだ時代があります。

卵管は子宮の左右に延びていると書きましたが、実際は左右から子宮の後ろに卵巣を抱え込むようにして、ダグラス窩と呼ばれるスペースに存在することが多いのです。柔らかくて柔軟性があって伸び縮みする、一見したところ”ミミズ”のような形をしています。

その先端は卵を吸い込みやすいように出来ています。

すなわち卵管采とよばれるひだひだで卵巣を抱え込むようにして、排卵した卵を卵管内部に拾い上げるのです。

排卵した卵は卵管の中を2−3日かけて運ばれ、子宮腔に到達するとそこで内膜の中に潜り込み、1週間目頃にしっかりと妊娠が成立するわけです。

途中でストップして卵管内膜に付いてしまうと、卵管妊娠、子宮外妊娠になってしまいます。「変な所で腰を落ちつけるんじゃない」と言いたくなります。

クラミジアに感染すると不妊症になりやすいことは、よく知られていることと思います。

クラミジアに感染すると、卵管の内膜に炎症を起こして卵や精子の通過を妨げたり、腹膜炎を起こして卵管・卵巣の周囲に薄い膜の癒着を作り、せっかく排卵した卵が行き場を失ってしまうのです

クラミジアだけでなく、淋菌その他の菌による感染症でも同様なことが起こります。クラミジアは若い世代を中心としてすごい勢いで増えています。”チャーミングでよくもてる”お嬢さんがた、ご用心!!

卵管が閉塞すると、詰まった部分を切り取ってつなぎ直すことがあります。

細い管をつなぎ直すためには非常に細い糸を使うので、手術室の大きな顕微鏡下に行います。マイクロ・サージャリーによる卵管吻合術と呼ばれます。

卵管が炎症によって閉塞した場合には、広い部分に障害が起こっているのでなかなか良い結果が得られません。

避妊の目的で卵管結紮を行ったかたが、離婚あるいは死別して後に再婚をされた場合に、つなぎ直しを希望されて来院されることがあります。

この場合には非常に良い成績で、後に再び赤ちゃんを得られることが多いのです。

卵管をしばってしまった奥様方、もう一回チャンスはありますよ。

本当に卵管は不思議なものですね