高齢出産について

高齢出産という場合、一般的に35歳以上の高年初産を云いますが、経産も含めて云う場合もあります。

以前、日本では高年初産婦の定義として「30歳の初産を高年初産婦とする」とされていましたが、平成3年頃から35歳の初産に引き上げられました。

その理由は30歳以上の初産婦が多くなったこと、そしてWHOをはじめ諸外国でも35歳以上の初産婦としている国が多いことです。

増えている高齢出産

女性の高学歴化、社会進出とともに結婚年齢は高くなり、出産年齢も高くなっています。

厚生労働省の人口動態統計によりますと、99年に30歳以上で子供を生んだ女性はおよそ51万7千人(全体の44%)、妊婦の2人に1人が30歳以上で出産していることになります。35歳以13万504人(11.1%)、50歳以上でお産した方は6人あります。

今から30年前には約80%が30歳未満でお産していたことを考えると、大幅に高齢化と言えましょう。

医学的には20歳代にお産することが理想的です。現在、初潮(月経開始)は12歳前後ですが、生理の始まりはそろそろ妊娠する状態であることを意味します。

生物学的には10代半ばに妊娠・出産することは当たり前なのです。

ところが、妊娠・出産に良い時期は体力もあり、社会的にも活躍できる時期でもあるわけで、女性の社会進出とともに結婚・出産は後回しになってしまいます

高齢出産の問題点

35歳以上の妊娠・出産で増加する問題を列挙してみましょう。

妊娠中の異常:
 
流産率は2-4倍(染色体異常が増える)、妊娠中毒症、高血圧、腎疾患、糖尿病。 早産の頻度も上昇。
 妊産婦の指導や管理が良くなって妊娠中毒症などの予防は進んでいます

分娩時の異常:
 
前置胎盤、胎盤早期剥離、大量の出血のリスクが高くなります。
 周産期死亡(分娩前後の新生児の死亡)も増えます。

高齢になると体が固くなってくるので産道(子宮口、膣)の開きが悪くなり、時間もかかります。やはり吸引分娩や帝王切開の率が高くなります。
私の病院で35歳以上の初産婦では半分近くが帝王切開となっています。

お産が済んでからが大変

年齢的に体力が落ちているので、育児が大変。特に夜中が問題で、若い時は一度起きてもすぐ眠れますが、年とってくるともう眠れない。睡眠不足から体力も消耗して、マタニティーブルーが起きやすくなります。

サポーターが必要

高齢になると妊娠する力も低下し、不妊症として治療を必要とする方も増えます。

そんな中、めでたく妊娠されてもいろいろ問題が多いことをお判り頂けたかと思いますが、何より大切なことは妊娠・出産・育児を通して夫・母親など周囲の方の暖かい思いやり・援助なのです。