婦人科のがん検診
前の項目の中で「がんの集団検診は本当に有効か?」という厚生労働省の研究班の検討の結果を取り上げました。
その中で子宮がんについては以下のようにまとめられています。
| ◎子宮頚がん検診 | |
| 集団検診の有効性については十分な証拠がある。 検診の対象年齢については検討を要する。 対象年齢を若年に幅を広げる必要がある。子宮頚がんはウイルス感染と関係があり、性行動が活発になった現在、若年からチェックする必要がある。 適切な受診間隔の検討を要する。従来のように毎年行うのではなく、結果が良かった場合にはもっと間隔を開けても良い。 |
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| ◎子宮体がん検診 | |
| 集団検診の対象としては有効性を示す資料に乏しい。 リスクの高い受診者(50歳以上の不正出血のある人)を選んで実施すべきである。 |
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子宮頚がんの検診は医師が直接目で見て、子宮膣部(子宮の出口)や頚管(少し中に入ったところ)の表面から綿棒で細胞を数10万個採取し、ガラスの板に塗りつけたものを専門家が顕微鏡で診断します。これを細胞診とかスメアテストと呼びますが、米国では一般にPap-testといっています。
この方法はほとんど痛みがないので気楽に受けていただけます。
ご存じのかたも多いと思いますが、クラス氈Eが陰性、。が中間(異形成など予備病変)、「・」が陽性となっています。
。以上は要注意です。
結果によって精密検査(細胞診再検査、コルポスコープー顕微鏡検査、組織検査など)を行います。
これに比べて子宮体がんの検診は子宮の奥の方の検査を行わなければなりません。
綿棒・細いブラシ・プロペラ状の器具などを子宮の中に挿入してスメアを採ったり、細い匙状の器具を使って内膜の組織を採とったりします。
残念ながら痛みがあるため集団検診に向いているとは言えません。
検診を受ける人全部に実施する必要はないようです。
閉経後に不正出血のある人、家族内に子宮体がんの患者さんがある人、ホルモン療法でエストロゲンだけを使用している場合など、ハイリスクの人に実施すべきと考えられています。
子宮がんの検診は長年の歴史があり、精度も高いのですが、愛知県ではさらに検診の精度を上げるため専門家による委員会を作って検討しています。
検診を受けられない方のために自己検診スメアといって、スポンジ状の器具を膣の中に挿入して細胞を擦過し、検査センターに送るという方法も提唱されています。
中国の過疎地、辺境などででは検診システムが不十分なため、この方法が大変喜ばれているようです。
内診台に上がることがなく自分で検査できるので良い方法だと思われますが、残念ながら医師が目で見て採取するスメアに比較して成績が落ちるため、専門家の間では評価されずあまり普及しませんでした。
市町村で行われる地域の集団検診や職場で行われる検診はきちんと受けられる方には素晴らしいシステムですが、現状では受ける方と受けない方が別れてしまっているのが悩みのたねです。
平気な顔で「子宮がんの検診なんて受けたことがない」とおっしゃるご婦人も多いのです。「恥ずかしい」とか「この年になって今さら婦人科にかかるなんて」などという奥ゆかしい「大和撫子」は手遅れになるでしょう。
最近の若い女性は健康に対する理解度も高く、必要な検査はさっさと受けるようになっています。
がん検診の対象になっているご婦人がたもさっさと受けるようにしましょう。