乳がん検診について

乳がんが増えています。乳がん検診が大切なことは皆さんよくご存じでしょう。
いわゆる乳がん検診というのは、原則として症状のないかたを対象として行われます。
しこりや乳頭分泌など、いつもと違う症状のある人は検診を待たずに出来るだけ早く近くの医療機関に受診して下さい。

乳がん検診とマンモグラフィ(乳房X線撮影)
 乳がんの検診は従来、医師が視診・触診で行ってきましたが、さらに早期発見するためにはマンモグラフィを併せて行うことが良いとされています。
視触診で異常が発見された場合に精密検査としてマンモグラフィを撮影することは当然ですが、異常がないときに念のため撮影することが本当に必要なのかと論議されてきました。
ところが厚生省(現厚生労働省)の研究班で乳がんの早期発見にはマンモグラフィを併用すべきだとの結論が出され、さらに平成12年3月に厚生省通達として50歳以上の女性は2年に1回マンモグフィの検査をするようにとの指針が出されました。
本当は50歳で
はなく、40歳から対象とすべきであるともいわれます。
更年期以後にホルモン補充療法を受けているかたや、若い方でも不妊症などで長期間ホルモン療法を受けているかたにも是非お勧めしたい検査法です。



マンモグラフィとは
 乳房は柔らかい組織でできているために、乳房専用の特殊なレントゲン撮影が必要となります。触診では判らないような小さい乳がん発見するために役立ちます。
マンモグラフィを撮るためには特殊な器機、トレイニングを積んだ撮影技師や診断する医師が必要ですが、現在の所不足しているため各地で整備されつつあります。
マンモグラフィ検診はアメリカ・ヨーロッパではもっとも一般的で、乳がんによる死亡を減少させる効果が得られています。
放射線被曝(ひばく)による影響は撮影の範囲が乳房だけの部分的なものであるため、骨髄への影響や白血病などの発生はありません。



マンモグラフィの実際
 マンモグラフィは左右の乳房を別々に撮影します。
その際、乳房を挟んで撮影しますが、これは被爆線量をわずかでも少なくすることと、なるべく均等に圧迫して良い写真を撮るためです。少し痛みを伴いますが我慢して下さい。



乳がん検診と産婦人科
 もちろん乳がん検診は外科、放射線科、内科など各科の医師も行っていますが、女性にとって産婦人科がもっとも受診しやすいので受診者が多いのです。
診断後に治療が必要になった場合、ドイツなど産婦人科医が乳がんの手術まで行っている国もありますが、日本ではごく一部の大学病院産婦人科を除いて、乳腺外科に紹介されています。
異常が見つかった場合、精密検査として、マンモグラフィの追加撮影、超音波検査、乳頭分泌の細胞診などがあります。
さらに細い注射針で細胞を採取する吸引細胞診または試験的切除術が行われます。



愛知県産婦人科医会の乳がん検診方式
 病院や診療所でマンモグラフィが整備されているところはまだ少数です。
愛知県産婦人科医会では産婦人科医が視触診を行った上で、指定施設でマンモグラフィ撮影・専門医による診断を行い、最終的に産婦人科医が総合判定をするシステムを作りました。
この8月から実施されて既に多数の方が受診しています。
とりあえず名古屋市を中心として行われていますが、今後受診される方も多くなるものと予想されています。