たばこやめませんか?(その1)

JTの関係者、たばこ農家、たばこ販売店の皆様は目をつぶってください。

 昔は女性でたばこを吸うひとは時代の先端をゆくモダンガールか、お年寄り、あるいは特殊な職業の人たちで、若い娘がたばこを吸おうものなら蔭でヒソヒソと悪口をいわれたものでした。

男女同権の時代に女だからたばこを吸ってはいけないなどとは恐ろしくて口にはだせません。

最近の傾向は男性の喫煙率が減少しているのに、女性の喫煙率は横ばいあるいは上昇しつつあるようです。

 しかしながら男女を問わず、たばこを止めた方が良いのは皆さんよく御存知のことでしょう。

もちろんたばこには効用があることは判ります。

禁煙について話しをすると必ず挙げられるのが、例えば、疲れたときに1本吸うと落ち着く、営業活動をしているとどうしても必要である等でしょうし、女性の場合には痩せるための手段、テレビドラマの主人公みたいでカッコいい、などということです。

別れた彼のことを思い出して寂しくて、つい吸うようになったというひともいます。

そういった効用があるにしても、やはりたばこは止めるべきです。

たばこには悪いことをする愉しみもあり、仲間意識も強いものです。

きびしく言えば麻薬、大酒のみ、過食による肥満、常習の万引きなどと同様、いつでも止められると思っているけど実際には止められない習慣ですね。

一方、禁煙運動をする人たちは、ともすると止められない人を小馬鹿にする、低級な人間を見るような顔をするのでよけいに反感を買ってしまいます。

「こらこら、たばこは止めなさい」、「へいへい、ごもっともでやんす」心の中では「けっ、ばかにするな。やめるもんか」。

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たばこの害について

 たばこの害については充分に御存知のことと思いますが、次のような病気の原因となったり悪化させたりしています。

癌(特に肺・口・のど・食道)、気管支炎、心筋梗塞 脳卒中、胃・十二指腸潰瘍 女性では子宮がん、乳がん(肉食が多く、たばこをたくさんすうひと)

妊娠中の喫煙は低出生体重児が多くなる、流産・早産、分娩時の異常  母親の喫煙は胎児の血中ニコチン濃度を上昇させる
不妊症との関係も問題となっています。喫煙は卵胞発育の障害をもたらす原因となっている可能性が有り、男性の精液所見にも異常が見られます。

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小出監督の禁煙

 私の愛読書のひとつに文芸春秋があります。

珠玉とも言える文章にめぐりあえます。

今年の二月号にマラソンの小出義雄氏のインタビューが載っていました。

その中の文章にジーンと来ました。

それは有森さんがバルセロナオリンピックに出場したときのこと。

有森さんに「監督、たばこを止めてください。

監督が死んだらオリンピックに行けなくなります」と言われて、毎日四箱も吸っていたのをぴたりとやめたとのこと。

それまで奥さんに年中止めろと言われても止められなかったのに。

バルセロナに行くときもういいだろうといっぱい買っていったら走る前日に有森さんに見つかって全部取り上げられてしまいました。

彼女はそのうちの一箱をパンツに縫いつけて走り、銀メダルを獲得したのです。

そのたばこは額に入れて飾ってあるとのことです。

いかにも信頼しあっている師弟の間柄がうかがわれます。

小出監督も酒はやめられないけど、たばこは止められたんですね。

たばこやめませんか?(その2

私の禁煙
 私も若い頃はヘビースモーカーで一日3箱吸っていました。

たばこの害は充分承知していましたが、なかなか止められなかったのです。

愛煙家の気持ちはよく理解できます。

特に博士論文を書いていたときなど大きい灰皿に山のように吸い殻が溜まったものです。

なかなか止められなかったのですが、ある日テレビを見ていたらBBCの制作した番組でたばこの害を説く素晴らしいものがありました。

「おれも止めるかな」とつぶやいたらそれを聞いていた家内が「そうしましょ、そうしましょ」と言ったかと思うと家中のたばこを全部外のゴミ箱に捨ててしまいました。

マイルドセブンの未開封のカートン2本を含めてありとあらゆる場所(背広のポケットや引き出しの中)からきれいさっぱりとたばこが消え去りました。

以来20年以上、一度も吸っていません。

もっとも夢の中では何百本吸ったかわかりません。

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医療関係者の喫煙
私の周囲の愛煙家は医学的知識を持っているものが多いだけにやっかいで、理論的に防衛・反撃してくるのです。

「たばこにも利点があるんだ」、「今更止めたって肺がんの予防にはならないんだ」、「たばこを止めるとストレスで病気になってしまう」。

それに対して「そもそも医者のくせにたばこを吸うなんてやぶ医者だ」と言うのですが煙に巻かれてしまいます。

日本の医療関係者(医師・看護師)の喫煙率が高く、WHOの中島氏が国際的に見て恥ずかしいと嘆いたことは有名です。

それでも医師でたばこを吸うのは肩身が狭くなってきています。

先日の学会でも愛煙家は鳥かご(喫煙コーナー)で小さくなって吸っていました。

ある産婦人科医師は「たばこ対策は諸外国に比べて大きく後れをとっている。

特に大きな問題は若年女性に於ける喫煙率の上昇。

次世代につながる問題として、リプロダクションの専門家としての我々産婦人科医が取り組まなければならない。

無頓着な会員が多い」と言っています。

日本小児科学会、日本肺癌学会、日本医師会などいくつかの団体が禁煙宣言を出しています。

日本呼吸器学会が禁煙宣言を出すとともに専門医の資格要件に非喫煙者であることを加えたとも聞いています。

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会社のトップクラスの方へ
私はあるクラブ(各種の会社のトップクラスの集まり)で喫煙に関して調査を行いました。

調査後2回ほど禁煙について話をしました。

1年後に再度調査を行いましたが、その結果喫煙率は42.2%から38.2%に下がりました。

またそれぞれの会社で禁煙・分煙について24%が改善していました。

その時の調査でもトップクラスのかたが喫煙する会社と喫煙している会社では、禁煙・分煙に対する取り組み方に大きな差がありました。

会社の社長さんや重役さんは率先して禁煙していただきたいと思います。

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カッコ良くないスモーキング・ウーマン
映画やテレビドラマのヒロインが物憂げに煙をフーッと吹き出して、人指し指と中指の間にたばこを1本はさんでいるなんてカッコいいですね。

絵で見ているうちは良いけれど、そばによると歯にはヤニがたまり、強い香水の蔭からたばこのヤニのにおいが立ちのぼる。

私は職業柄、いろいろな女性に接しますが、「口臭や体臭をを気にして、ニンニクやギョウザを食べないようにする、毎朝シャワーを浴びてシャンプーをする、高額な香水をつける、そのような努力をしている女性がどうしてたばこを吸うのだろう」と不思議に思います。

たばこを止めると臭いに敏感となって喫煙者がいかに臭いに鈍感か判ります。

たばこを吸わない人には良く判るのですが、たばこを吸う人は吸わない人に比べて特有のにおいを持っています。

特に髪の毛ににおいがつきやすく、汗や分泌物にもしみだしています。診察の時、下着をとっても臭うのに驚きます。

 においといえば、御本人が吸わなくても夫がヘビースモーカーであると、強烈なにおいがしみついていることがあります。御用心下さい。

最後にもう一回、「たばこやめませんか?」