☆双胎(ふたご)の問題点
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ふたご、芸能界にも何組かいますが可愛いらしくて人気がありますね。
前にも書きましたが、近年多胎妊娠(ふたご、みつご)が増えています。
不妊症の治療、とくに排卵誘発剤が使用されるようになったことが大きな理由です。
生殖補助医療(体外受精・顕微授精)では子宮の中に移植する受精卵の数を一個に制限してふたごを予防するようになりました。
しかしながら体外受精でなく普通の治療で無排卵症の患者さんに排卵誘発剤を使う場合にはコントロールが難しく、多胎の率が高くなるのです。
不妊の患者さんの中にはふたごを希望する方も少なくありません。
今まで妊娠しなかった方がいっぺんに二人の赤ちゃんに恵まれるので大変喜ばれます。
しかし、多胎にはいくつか問題があります。
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●妊娠中の問題
多胎妊娠には妊娠高血圧症候群(いわゆる妊娠中毒症)、妊娠糖尿病、早産、前期破水、低出生体重児・新生児死亡が増える等の異常が発生しやすいという問題があります。
また生まれるときの平均週数は、双胎35.1週、三胎32.7週、四胎28.7週と早産になりやすいので、妊娠中の管理は特に後半期になって注意しなければなりません。
三胎以上であれば妊娠中働くことも制限され、しばしば長期入院が必要になります。
早産になる場合には、設備の整った複数の医師のいる病院で管理されます。
●分娩時の問題
分娩時に帝王切開を選択すべきかは問題です。
最近は分娩時に異常のおきやすい双胎は帝王切開をすべきだと考える医師が増えました。
赤ちゃんが二人とも頭が下にある頭位の場合には、他に問題がなければ膣からの分娩を選択することが多いようです。
経膣分娩の場合、第一児が出た後、突然第二児の心音が悪くなることがあります。
経膣分娩を試みるなら何か起こったとき30分以内に帝王切開の出来ることが望ましいといわれます。
赤ちゃんが二人入っていると子宮が伸びきってしまうために、陣痛が弱い微弱陣痛が起こりやすく、また分娩後も弛緩性出血による大出血を起こしやすいという問題もあります。
●一卵性双胎と二卵性双胎
ふたごには一卵性双胎と二卵性双胎のあることはご存じでしょう。
一卵性双胎はもともと一つの卵から出来るので、原則的には染色体も一緒、性別も一緒のそっくりの赤ちゃんが二人出来ます。
二卵性双胎の場合には二つの卵から出来るので、兄弟・姉妹がいっぺんに生まれるのと同じで、時には全然似ていないことも珍しくありません。
この一卵性双胎か二卵性双胎かの区別は医学的には大変重要なことです。
従って妊娠早期から診断しておく必要があり、妊娠10週までに診断しなければなりません。
赤ちゃんが出来たとき、子宮内膜の中で胎のうと呼ばれる袋の中に入っています。
この胎のうは絨毛膜と呼ばれる膜(将来胎盤になる)に包まれていますが、一卵性双胎の場合75%が絨毛膜一つ、25%が絨毛膜二つに包まれています。
これは妊娠初期に一つの受精卵が何らかの理由で二つに分かれることによります。
二卵性双胎は全て絨毛膜二つに包まれています。
従って一絨毛膜双胎と二絨毛膜双胎の区別は一卵性双胎と二卵性双胎の区別とは少し異なります。
一絨毛膜双胎の場合には二つの胎盤は繋がっており、血液がお互いに流れ込みます。
そのために一方の赤ちゃんから他方への輸血が起こるために、双胎間輸血症候群と呼ばれる困ったことがおきます。
元気の良い赤ちゃんから元気のない赤ちゃんに輸血が起こるために、大きさに差が生じて不幸な結果となります。
時に胎児死亡を起こしたり、神経学的な後遺症を生じたりします。
赤ちゃんを直接包んでいる羊膜と呼ばれる薄い膜があるのですが、一絨毛膜双胎の場合一羊膜双胎と二羊膜双胎がありますが、一羊膜の場合には互いの臍帯が絡み合って亡くなることもあるのです。
妊娠初期に胎のうの数をチェックし、双胎であったら膜性診断をしておかなければなりません。
大きくなると分かりにくくなります。
このことからも妊娠5から8週には超音波で必ず検査を受けなければならないことがおわかりでしょう。
ふたごでも大変なのに、三胎以上になるともっと複雑です。
●双子の赤ちゃんの位置関係
頭から出てくるのが頭位、おしりから出てくるのが骨盤位です。
・頭位と頭位 42.8%
・頭位と骨盤位 21.3%
・骨盤位と頭位 12.4%
・残りは横位(横向き)との組み合わせ
二人とも大きすぎず、頭位と頭位なら比較的安全なのですが、その他の位置関係の時はいろいろ問題が起きます。
特に先に骨盤位の赤ちゃんの体が出てくると、頭が次の赤ちゃんの頭と引っかかる危険性があります。
これは大変危険な状態です。1羊膜1絨毛膜性の場合は間を隔てる膜がないので、二人が絡みやすいのです。
●ふたごと帝王切開
ふたごの赤ちゃんは一般に体重も小さく、分娩に伴うリスクが高くなります。
単胎の赤ちゃんに比べるとリスクは6倍になると言う報告もあります。
出産を管理する医師の経験や考え方によって差はありますが、最近は帝王切開を選択する機会が増えました。
双胎、ただちに帝王切開と言う医師も少なくありません。
骨盤位にはある程度のリスクが予想されます。
お産がうまくいって当たり前、何か異常が起これば医師に責任があると訴訟を起こされる今の時代、より安全度の高い帝王切開の選択も許されるでしょう。
手術に伴うリスクも低下し、術後の痛みのコントロールも以前に比べて格段によくなりました。
●体外受精と双胎ー学会のガイドライン
体外受精で受精卵を子宮に戻す(胚移植)とき、一個戻すより、二個戻した方が若干妊娠率が高くなります。
高いお金を払って年齢も高くなれば少しでも確率の高い方を望まれるのは当然ではないでしょうか?
しかしながら、双胎は単胎に比べて妊娠・出産に伴うリスクが若干高いこと、生まれた後の世話が大変で赤ちゃん1人に世話をする人が1人必要なこと、そして双胎は未熟児の率が高くなり、NICU(新生児集中治療室)のベッドを一組で2ベッド占領してしまうために全国的に小児科が困っていることなど、いくつも問題が起こっています。
高齢出産になって二人の赤ちゃんが生まれると育児が体力的にも無理になります。
と言うわけで日本生殖医療学会、日本受精着床学会では胚移植は一個までと制限しています。
ただし35歳以上、今までに2回以上不成功であった方には例外として認めても良いとされています。
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おわりに
一度に二人産めるなら楽でよいなどと安易に考えないで下さい。双子は可愛いさが倍ですが、妊娠・分娩・子育てに伴う苦労も倍なのです。周囲の皆さんの助けが必要なのです。