☆妊婦さんのシートベルトについて


 
 妊婦さんが自動車に乗るときに、シートベルトをすべきかと質問されます。

事故時の後部座席同乗者の致死率は非着用者が着用者の約4倍。

後部座席同乗者が飛ばされて、前方の人の頭に重傷を負わせる割合も約50倍に達するといわれます。

特に高速道路での事故による死者が多いのは言うまでもありません。

村尾医師らは、交通事故に遭遇する妊娠数の試算から日本では年間約1-7万人の妊婦が交通事故により負傷し、、約千人から1万人の胎児が流・早産し、年間40人程度の妊婦が死亡することになると報告しています。

欧米での報告では、交通事故による母体死亡の77%がシートベルトを着用していなかったとか、シートベルトをしていない場合、胎児の死亡は着用していた場合の4.1倍になると報告されています。

日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会の共同編集による産婦人科診療ガイドライン(平成20年4月)には、「斜めベルトは両乳房の間を通し、腰ベルトは恥骨上に置き、何れのベルトも妊娠子宮を横断しない」という正しい装着により交通事故時の障害を軽減化できると書かれています。

以前の二点式ベルトに比べて三点式ベルトは正しく装着すれば子宮の圧迫による子宮破裂の危険性は少ないと思われます。

妊娠中のシートベルト着用に際しては次の点に注意が必要です。

1. 三点式ベルトを着用する。二点式ベルトは危険です。
2. 腰ベルトは腹部の子宮による膨らみを避けて腰骨の出来るだけ低い位置でしっかり締める
3. 肩ベルトは方から胸部の中央付近に掛かるようにする。

要するに子宮を圧迫しないように腹部を避けて締めることが重要です。

妊婦のシートベルト着用の義務については法律的にも曖昧な部分があります。

道路交通法施行令第26条第3の2項(1985年)、妊婦の座席ベルトの装着義務の免除という項目がありますが、警察庁本庁の解釈と第一線の警察官の解釈の間に乖離があるようです。

最近警察でも妊婦さんのシートベルトを着用するよう指導するようになりました。

現在のところ、後部座席では装着がしづらい、わかりにくいなどと問題点が指摘されています。

このため、国内の自動車メーカーは後部座席のベルト差し込み口を分かりやすくし、片手でも装着しやすくなるような改良を検討しているようです。

妊婦さんに対する配慮も望まれます。

妊婦さんでも三点式ベルトの正しい装着法を守って安全運転に心がけていただきたいと思います。